2021年4月20日(火)、フィランソロピック・イニシアチブを支援する日本初のプラットフォームが発足、その記念イベントが開催された。国内7団体と海外の協力4団体が参加する「フィランソロピック・プラットフォーム」は、ワンストップの窓口を設けて、寄附者の社会貢献への「おもい」の実現をサポートする(事務局:一般社団法人ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー〔代表理事 鈴木 栄〕)。
記念イベントには国内外の社会貢献活動や金融機関のリーダーが参加し、日本におけるプラットフォームの重要性と意義についての熱心な説明があった。
第一部ではフィランソロピック・プラットフォームの狙いと概要を説明し、協力パートナー団体による関わり方を披露しました。
一般社団法人ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー(以下、JPA)の代表理事の鈴木栄からは、寄附だけにとどまらない社会貢献のあり方(フィランソロピック・イニシアティブを支援する)を、そして寄附者の志に寄り添いながら設計・運営を支援するJPAのサービスとプラットフォームの全体像を紹介しました。
フィランソロピック・プラットフォームの協力団体である公益財団法人日本フィランソロピック財団(以下、JPF)の代表理事 岸本和久からは、寄附を通じた社会貢献、遺贈などによる財団内の基金の活用を説明しました。
続いて協力団体の各代表者からも、本プラットフォームに関する意気込みが伝えられました。
また、JPAのアドバイザリーカウンシルにご就任いただきましたコモンズ投信株式会社 取締役会長/シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役の渋澤健氏からはビデオメッセージで、渋澤栄一氏の「真に利材に長ずる人は、よく集むると同時によく散ずるようでなくてはならぬ」との言葉をご紹介いただき、お金だけでなく気持ちも込めることのできる良い散じ方としての寄附の重要性を改めて強調されました。またこうした活動をインフラとして支える本プラットフォームの重要性と大きな期待をお伝えいただきました。
第二部では、海外の協力団体からのメッセージも届きました。Synergos(シナゴス)のFounder兼Chairのペギー・デュラニー・ロックフェラー(Peggy Dulany Rockefeller)氏からは、
「フィランソロピーとは、単にお金を提供するだけではなく、影響力や人脈などを含む自分自身が持てるすべてを結集し、前向きな変革を起こすことです。フィランソロピーと優れたリーダーシップがあれば何ができるか創造的に考えてほしい。一緒に進んでいきましょう」
と力強いメッセージをいただきました。
JPAの理事にご就任いただいたアクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社の代表取締役社長兼CEOの安渕聖司氏は「経営者個人の間にも何らかの形で『社会をよりよくしたい』という思いが高まっている」とし、その志を受けとめるフィランソロピック・プラットフォームの重要性を訴えました。
また、アジア最大の社会的投資とベンチャーフィランソロピーのネットワーク、AVPNのChairperson兼CEOであるナイナ・スベーワル・バトラ(Naina Subberwal Batra)氏からは本プラットフォームが「フィランソロピーの成長と革新を牽引していくものです」と、応援と期待のメッセージをいただきました。
その後、シンクタンク・ソフィアバンク代表でJPAの理事でもある藤沢久美氏がモデレーターをつとめ、金融機関で活躍するリーダーの方々とフィランソロピック・プラットフォームの意義について話し合いました。
「これは武器になる」、「キラーコンテンツになる」と顧客との接点での重要性を強調し、さらに、社会的貢献について考え、関わることは社員の育成のために重要である、と満場一致で力説し、今後のプラットフォームの機能に高い期待を寄せました。
最後にJPFの代表理事 岸本和久より、今後のフィランソロピック・プラットフォームの発展を通して、金融機関の方々と潜在的なフィランソロピストの皆さまと一緒に日本の未来をより良いものにしていく決意をお伝えしました。
イベント直後に回収されたアンケートからは、フィランソロピック・プラットフォームの発足に「大いに賛同する」、との回答が93%を占め、また、70%がフォローアップで詳しい情報を求めました。「各金融機関の方からの力強いメッセージがあり、時代がかわったと感じました」など、参加者からも社会貢献の分野における大きな潮目を感じるイベントとなった。
本フィランソロピック・プラットフォームの活動にご興味がある方はぜひ、ページ下の問い合わせ先からご連絡くださいませ。
<フィランソロピック・プラットフォーム立上げの背景>
わが国の個人金融資産は米国に次ぐ世界で第2位の規模となり、世界をリードする有数の富裕国となっています。しかし、日本における個人寄附の総額は米国の寄附額の5%弱にとどまっています。
ご自身の資産をより良い社会にむけて活用したい、という意識を持たれている方は沢山いらっしゃいますが、多くの場合、「信頼して託せる団体が見つからない」、「どのようなNPOがどのように活動しているか分からない」といったことから、せっかくの「おもい」をかたちにできずにいるのが現状です。
私どもは、日本のフィランソロピーの発展と拡大のため、金融セクター、非営利セクター、財団創設者や国際機関経験者等の各方面のリーダーの方たちと対話を重ね、社会貢献に関心のある富裕層の方々のニーズをワンストップで受け止め、フィランソロピストとしての活動を支援するための枠組みを発足させることといたしました。
<登壇者> ※敬称略
● フィランソロピック・プラットフォームの説明
鈴木 栄 一般社団法人ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー 代表理事、
一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ 代表理事
岸本 和久 公益財団法人日本フィランソロピック財団 代表理事
鵜尾 雅隆 特定非営利活動法人 日本ファンドレイジング協会 代表理事
伊藤 健 Asian Venture Philanthropy Network(AVPN)東アジアディレクター、
特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン代表理事
宮城 治男 特定非営利活動法人 エティック(ETIC.) 代表理事
深尾 昌峰 PLUS SOCIALグループ 代表
氏家 純一 氏家経済研究所 代表取締役
● ビデオメッセージ
渋澤 健 コモンズ投信株式会社 取締役会長
シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
Peggy Dulany Rockefeller Founder & Chair, Synergos
Naina Subberwal Batra Chairperson and CEO,
Asian Venture Philanthropy Network(AVPN)
安渕 聖司 アクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社
代表取締役社長兼CEO
● トークセッション・モデレーター
藤沢 久美 シンクタンク・ソフィアバンク 代表
ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー 理事
*以上、登壇順
<フィランソロピック・プラットフォーム>
◆フィランソロピック・プラットフォーム事務局
一般社団法人 ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー
ホームページ:https://jphilpartner.org/
Email:info@jphilpartner.org
◆協力パートナー団体 (五十音順):
特定非営利活動法人 エティック(ETIC.) https://www.etic.or.jp/
一般社団法人 ソーシャル・インベストメント・パートナーズ http://sipartners.org/
特定非営利活動法人 ソーシャルバリュージャパン http://socialvaluejp.org
特定非営利活動法人 日本ファンドレイジング協会 https://jfra.jp
公益財団法人 日本フィランソロピック財団 https://np-foundation.or.jp/
PLUS SOCIALグループ https://plus-social.co.jp/
◆海外協力団体 (アルファベット順)
Asian Venture Philanthropy Network(AVPN) https://avpn.asia/
Founders Pledge https://founderspledge.com/
Synergos https://www.synergos.org/
The GIIN https://thegiin.org/